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町野 史貴

資格:巡回監査士補
出身地:札幌市
趣味:映画鑑賞、読書
血液型:B型
好物:パン・餃子・カレー

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読書感想文

2022/04/21

日記

担当させていただいているお客様からのおすすめで
『不道徳な見えざる手』を読みました。

 

2017年に出版、
著者はジョージ・A・アカロフ他

 

読んだのは結構前なのですが、
すずらんの図書制度を利用して購入したのにも関わらず
感想を書いていなかったので書かせていただきます。

 

まず、私は経済学に関して全くの素人で何の教養もありませんので
うっすいうっすい感想文になっております。

 

学生の時に行動経済学系の本を読み漁っていたタイミングで
同じ著者の『アニマルスピリット』は読んだことはありましたが
ダニエルカーネマンやダンアリエリーに比べ内容が難しく
当時学生の私には身近に感じられなかったため内容はほとんど覚えておりません。

 

タイトルからして『国富論』の神の見えざる手を否定するアンチ自由市場な
内容が書かれてそうですが、どちらかというと一般消費者が
企業からありとあらゆる手で搾取されてちゃってるから気を付けた方がよいよー
というような内容です。

 

有名な経済学者であるケインズが
「1930年から100年後には生活水準が8倍になる」といったそうです。
しかし2010年時点で所得は5.6倍にはなっているが、
余暇を持て余しているどころか寧ろ足りていないのが現状でそれはなぜか?

 

自由市場にはカモとカモ釣りが必ず発生し、
全員が豊かになる仕組みではないということの具体例が沢山書かれていました。

 

カモとカモ釣りの具体例を沢山読んで私の感じたことは
私、めちゃめちゃカモですやん。ということです。

 

私は酒、葉巻など中毒性が在るものは勿論、
服、レコード、家電、サブスクサービスなど、
日常でどんどん新しい魅力的な提案をされては
翻弄され、消費しクレジットカードの請求がとんでもないことになっています。

 

本書の例のほとんどはアメリカのもので
現代の日本の若者は結婚をする人も減り、
それに合わせて家や車を買う人も減ってそうですが、
ありとあらゆる形でカモとカモ釣りの消費は存在している気がします。

 

ただ、こういう消費者の購買意欲をあおって
所得以上の消費をさせているのは、
悪意のある悪い人がいるという話ではなく
自由市場そのものにこのような性質があるというのが本書の指摘でした。

 

所得以上にお金を使ってしまう人(私も含めて)を愚かだと決めつけることもできないし、
確かな良いサービス(の基準も難しいですが)を提供しているが所得が低い人と、
サービスはそこそこでもマーケティングが抜群にうまく所得が高い人は
世の中に様々なグラデーションで存在します。

 

こう言ったマクロ(でもないけど)なことも考えつつ、
自分の所得をしっかり加味したライフスタイルで、
充足感ある人生を送るようにしなければと思いました。