立替インボイスの取扱いについて

2025/10/02

日記

 

【立替インボイスの取扱いについて】

 

取引先とのやり取りで、経費を「立替払い」してもらうケースは少なくありません。
今回は、その場合における 仕入税額控除の要件 について整理してみます。

 

 

~立替払いとインボイスの関係~

 

たとえば、A社の経費をB社が立替払いし、C社から交付された適格請求書(インボイス)の宛名がB社になっていた場合、A社がその請求書を控えていただけでは仕入税額控除の要件を満たしません。

 

 

では、A社はどうすればよかったのでしょうか?

 

 

今回の事例では、B社が立替払いをしたとしても、

  • B社から受け取る立替金精算書等 により、
  • 経費の支払先がC社であることが明らかであれば、

C社の適格請求書立替金精算書併せて保存することで、仕入税額控除に必要な要件を満たすことになります。
この場合、B社がインボイス登録をしていなくても、C社が登録事業者であれば問題ありません。

 

 

~複数事業者で費用を分担する場合~

 

もう少し複雑な例として、事務所賃料などを複数の事業者で按分し、代表して1社が立替払いをする場合があります。この場合もインボイスは代表者のみに交付されるため、他の事業者は次の対応が必要です。

 

  1. 立替払をした事業者から 適格請求書の写し を受け取る。
  2. 各自の負担分がわかる 明細書等 を受け取り、両方を保存する。

 

 

ただし、交付対象者が多数いて写しを配布するのが難しい場合には、

 

  • 立替払をした事業者がインボイスを保存し、
  • 各事業者は「仕入先がインボイス発行事業者か確認できる措置」を講じた上で、明細書のみ で対応することも認められています。

 

 

まとめ

 

立替払いはよくある実務ですが、インボイス制度下では「誰の支出として処理されるか」を書類で明確にしておくことが重要です。適切に精算書や明細書を保存し、税制上のメリットをきちんと享受できるようにしましょう。

 

髙橋

 

国税庁:立替94.pdf

 

第6節 仕入税額の控除に係る帳簿及び請求書等の記載事項の特例|国税庁