【不動産売却】税金計算のキモ!「取得費・譲渡費用」と「5年ルール」を完全解説

2026/02/06

日記

不動産(土地や建物)を売却して利益が出た場合、確定申告が必要になることがあります。

「いくら税金がかかるの?」「経費にできるものは何?」といった疑問をお持ちの方へ、国税庁の情報を元にポイントを分かりやすく解説します。

 

  1. 不動産の税金は「分離課税」

まず大前提として、土地や建物を売ったときの利益(譲渡所得)にかかる税金は、お給料などの「給与所得」や「事業所得」とは分けて計算する「分離課税」という仕組みになっています 。

税金の対象となる「譲渡所得」は、以下の計算式で算出します。

譲渡所得 = 売った金額 -(取得費 + 譲渡費用)

つまり、売値から「買った時の値段(取得費)」と「売るためにかかったお金(譲渡費用)」を引いた残りの利益に対して税金がかかります。

 

  1. 経費になるもの①「取得費」

計算のベースとなるのが、差し引くことができる「取得費」です。

  • 基本的な取得費: 購入代金に加え、購入時の手数料、その後に支出した改良費や設備費も含めることができます 。
  • 建物の場合の注意点: 建物の場合は、買った時の価格から、所有期間に応じた「減価償却費相当額」を差し引く必要があります 。

 

昔の土地で、いくらで買ったか分からない場合は?

先祖代々の土地など、契約書が見当たらず購入金額が不明な場合や、実際の取得費が売却額の5%よりも少ない場合は、特例が使えます。 「売った金額の5%」を取得費(概算取得費)として計算することが可能です 。

 

  1. 経費になるもの②「譲渡費用」

取得費と合わせて差し引くことができるのが、売るために直接かかった「譲渡費用」です 。ここを漏れなく計上することで、節税につながります。

【これらは経費になります!】

  • 仲介手数料: 不動産会社に支払った仲介手数料 。
  • 印紙税: 売買契約書に貼った印紙代(売主負担分) 。
  • 立退料: 貸家を売るために、借家人に出て行ってもらう際に支払った費用 。
  • 取壊し費用: 古家を取り壊して土地として売った場合の解体費用や、その建物の損失額 。
  • 違約金:より高い条件で売るために、前の契約を解除して支払った違約金 。
  • 名義書換料など: 借地権を売る際に地主に支払った承諾料など 。

【注意!これらは経費になりません】

「売るために直接かかった費用」のみが対象となるため、以下の費用は譲渡費用には含まれません 。

  • 修繕費や固定資産税など、資産の「維持・管理」にかかった費用
  • 売った代金の取立てのための費用

 

  1. 税率が変わる!「長期」と「短期」の5年ルール

利益(譲渡所得)が出た場合、その不動産を持っていた期間(所有期間)によって税率が大きく異なります。

長期譲渡 所得税率15.315%(復興税2.1%含む) 住民税率 5%

短期譲渡 所得税率30.63% (復興税2.1%含む) 住民税率 9%

  • 判定の基準日: 「売った年の1月1日時点」で判定します 。
    • 長期譲渡所得: 譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えるもの 。
    • 短期譲渡所得: 譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年以下のもの 。

 

【事例で確認】ここが落とし穴!「5年」の判定シミュレーション

「売った日」現在で丸5年経っていても、その年の1月1日時点で5年を超えていなければ「短期」扱いとなり、税金が高くなる可能性があります。

事例1:令和2年3月31日に購入し、令和7年4月3日に売却した場合

(カレンダー上の所有期間:5年と3日)

  • 判定: 「短期譲渡所得」
  • 理由: 売却年(R7)の1月1日時点では、所有期間が4年9ヶ月しかなく「5年以下」となるため。

 

事例2:令和元年3月31日に購入し、令和7年4月3日に売却した場合

(カレンダー上の所有期間:6年と3日)

  • 判定: 「長期譲渡所得」
  • 理由: 売却年(R7)の1月1日時点で、所有期間が5年9ヶ月あり「5年超」となるため。

 

☆相続や贈与で引き継いだ場合は?

親から相続した土地などを売る場合、所有期間はリセットされません。原則として、亡くなった方(被相続人)や贈与者が取得した日から引き継いで計算します

つまり、親が長年持っていた土地であれば、相続してすぐに売っても「長期譲渡所得」として扱われるケースが一般的です。

まとめ 不動産売却の税金計算では、「取得費」と「譲渡費用」を正しく集計して利益を算出し、「所有期間(長期・短期)」で税率が決まります。

特に譲渡費用(仲介手数料や解体費など)は領収書等の保管が重要ですので、しっかり整理しておきましょう。

石田