2026/10/02
日記
海外の事業者へ商品を販売した際に消費税が免除される「輸出免税制度」。
これまで日本の税関が発行する「輸出許可書」等を保存していれば免税が認められていましたが、令和8年(2026年)10月1日以降の出荷・取引から、代金の決済方法によっては要件が大幅に厳格化されます。
「海外バイヤーが来日した際に手渡しで現金を受け取った」
「取引先とは異なる名義(個人名義や代理人など)から振り込まれた」
こうした取引(現金受領・対象受領)がある場合、従来の輸出許可書だけでは輸出免税が認められなくなります。
今回は、改正で最も重要となる「指定書類」の定義と5つの必須記載項目、そして「発行されない場合の代替書類」まで徹底解説します。
今回の改正で注意が必要なのは、代金の受け取り方が以下のいずれかに該当する場合です。
※対象外(これまで通りでOKな取引)
買主(取引相手)本人名義の口座から直接自社へ銀行振込されている場合は対象外です。これまで通り「日本の輸出許可書等」のみで免税になります。
対象となる決済方法で取引した場合、従来の輸出許可書に加えて「指定書類」の保存が義務化されます。
「指定書類」の定義
指定書類とは、輸出先(仕向国)の税関その他の行政機関が、資産の輸入事実を証明した書類(または電磁的記録・PDF等の写し)を指します(国税庁告示第一号・令和8年3月31日)。
実務上は、バイヤーが通関時に現地税関から受け取る「輸入許可書(Import Permit)」や「通関証明書」等がこれに該当します。
指定書類に必要な「5つの必須記載事項」
指定書類として認められるためには、以下の5項目がすべて明記されている必要があります。
仕向国の税制や取引形態によっては、制度上そもそも「指定書類(輸入証明書)」が発行されないケースが存在します。
そのような場合は、事情に応じて以下の「代替書類」を保存することで免税が認められます(消費税基本通達7-2-26)。
| 該当する状況・ケース | 保存すべき「代替書類」 |
| ・仕向地が自由貿易地域(FTZ)等で、輸入許可手続自体が存在しない場合
|
・税関等に提出した**「輸入申告書の控え」** |
| ・輸入許可が通知のみで行われ、証明書が交付されない場合
|
・「輸入申告書の控え」 + 「輸入許可済みを証する書類」 |
| ・郵便(国際郵便等)による輸出で、税関告知書のみで通関される場合 | ・「税関告知書(写し可)」 + 「日本郵便等の追跡サービスで取得した配達状況書類(到着確認ができるもの)」 |
令和8年10月1日の施行に向け、社内で以下の準備を進めておくことが不可欠です。
・決済フローの確認・棚卸し
自社の輸出取引の中で「手渡し現金」や「別名義口座からの入金」がないか一覧化します。
・決済方法を「本人名義の銀行振込」へ一本化する
可能であれば口座振込へ切り替えます。これにより「指定書類」を集める実務負担自体を回避できます。
・バイヤーとの契約・事前合意
現金決済等を継続する場合は、「10月以降は相手国税関の輸入許可書(または代替書類)の写しを提供してもらうことが取引条件になる」旨を事前契約や注文書に明記しておきます。
柴田