テーマパークのポップコーンは軽減税率8%?

2025/10/14

日記

先日某テーマパークを訪れた際に、食べ歩き用にポップコーンを購入しました。

レシートを見ると「軽減税率8%」の記載が。

 

税理士事務所1年目の私はふと疑問が浮かびました。

ベンチに座って食べるつもりで購入した場合は、10%になるのでは?

今回はこの素朴な疑問について整理してみました。

 

【飲食に関する税率の違い】

区分         税率     内容

標準税率 (10%) 「食事の提供」→飲食設備のある場所で、飲食をさせるサービスの提供

軽減税率 (8%) 「飲食料品の譲渡」→単に飲食物を販売する行為

 

ここでのポイントは「飲食設備」の有無です。

「飲食設備」とは、テーブルや椅子、カウンターなど、飲食のために用意された設備を指します。

 

【テーマパーク内のベンチは飲食設備に当たる?】

 

結論から言うと、当たりません

 

理由は、そのベンチが売店の管理下にないからです。

テーマパークの園内にあるベンチは、あくまでもパーク全体の共有スペース。

個々の売店が管理しているものではないため、売店にとっての飲食設備には該当しません。

 

つまり、食べ歩き売店管理外のベンチで食べる。

こういった場合は、「単なる飲食料品の販売」として扱われ、軽減税率8%の対象になります。

 

一言でまとめると・・・

 

テーマパーク内のベンチは“飲食のために設置された設備”ではないため、飲食設備に該当せず軽減税率8%!

 

 

 

【実務上のポイント】

レストランなどで店内飲食する場合→10%(軽減税率の対象外)

 

食べ歩き・テイクアウトの場合→8%(軽減税率の対象)

 

店舗が「店内利用かテイクアウトか」を確認するのは、この適用税率を正確に判断するためです。

ちなみに、レストランでテイクアウト用の容器や紙皿で提供される場合は、「店外で食べる前提」とされるため容器等にも軽減税率8%が適用されます。

 

【まとめ】

テーマパークで購入したポップコーンを、園内のベンチで食べたとしても軽減税率8%のままです。

税率判断のポイントは「どこで食べるか」ではなく、「どのような設備で」「誰の管理下で」食べるかです。

 

📚 参考:国税庁 軽減税率Q&A(問68 遊園地の売店)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/03-01.pdf#page=56

(執筆:佐藤)