2025/10/20
日記
令和7年分(2025年)の年末調整から、所得控除の内容が大きく見直しされます。
この改正は、給与所得者や扶養家族のいる方の手取り額に直接影響する可能性があり、実務担当者の方にとっても注意が必要です。
今回は、主な改正点をわかりやすく整理しました。
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すべての納税者に適用される「基礎控除額」が、令和7年・8年の2年間限定で引き上げられます。
| 給与収入 | 改正前(控除額) | 改正後(控除額) |
| ~200万3,999円 | 48万円 | 95万円 |
| ~475万1,999円 | 48万円 | 88万円(+30万円) |
| ~665万5,556円 | 48万円 | 68万円(+10万円) |
| ~850万円 | 48万円 | 63万円(+5万円) |
| ~2,545万円 | 48万円 | 58万円 |
※カッコ内は令和7・8年限定の加算額です。令和9年以降は一律58万円に戻ります。
給与所得者にとっての「必要経費」にあたる給与所得控除の最低保証額が、55万円から65万円に引き上げられます。
| 給与収入 | 改正前 | 改正後 |
| ~162.5万円 | 55万円 | 65万円 |
| ~180万円 | 給与収入×40%-10万円 | 65万円 |
| ~190万円 | 給与収入×30%+8万円 | 65万円 |
パートやアルバイトの方にとって、税負担が軽減される改正です。
扶養に入れる家族の年収上限も20万円引き上げられます。
| 改正前 | 改正後 |
| 103万円 | 123万円 |
これにより、扶養家族が少し多めに働いても扶養から外れにくくなります。
新たに「特定親族特別控除」が創設され、大学生などの子どもがアルバイト収入で「123万円の壁」を超えても、一定の控除が受けられるようになります。
| 特定親族の給与収入 | 控除額 |
| 123万円超~150万円以下 | 63万円 |
| 150万円超~155万円以下 | 61万円 |
| 155万円超~188万円以下 | 51万円~3万円(段階的に減額) |
特定親族とは、19歳以上23歳未満の同一生計親族で、合計所得金額が123万円(給与収入188万円)以下の方を指します。
これにより、大学生のお子さまが一定の収入を得ても、親御さまの扶養控除がすぐにゼロになることはありません。
ただし、年末調整の際には「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出する必要があります。
今回の改正は、
・働く人にとっては「税負担の軽減」
・扶養する人にとっては「年収の壁の緩和」
につながる内容です。
年末調整の際には、控除額や扶養状況に変更がないかを必ずご確認ください。
ご不明な点がございましたら、税理士法人すずらん総合マネジメントまでお気軽にご相談ください。
齊藤