ライオンズクラブ・ロータリークラブの会費は経費になる?

2026/02/18

日記

ライオンズクラブ・ロータリークラブの会費は経費になる?

 

経営者の方からよくいただく質問のひとつが、
「ライオンズクラブやロータリークラブの会費って経費になりますか?」というものです。

実際、地域貢献や人脈づくりのために加入されている方も多いですよね。

では、この会費。
税務上はどのように扱われるのでしょうか?

結論:法人と個人事業主で取扱いが異なります。

まず結論から。

  • 法人の場合
    →会費は 法人税法上の損金 として経費計上が可能
  • 個人事業主の場合
    → 会費は 所得税法上の必要経費にはならない

というのが原則的な考え方です。

なぜ違いが出るの?

ライオンズクラブやロータリークラブは、
「事業のための支出」というよりも、
社会奉仕活動や会員個人の人格形成・交流を目的とした団体と考えられています。

そのため、

法人の場合

法人がライオンズクラブやロータリークラブの入会金や会費を負担した場合
法人税法基本通達9-7-15の2により、その費用は支出した事業年度の 交際費等として処理 されます。

これは、

  • 法人の社会的信用向上
  • 取引関係構築の一環
  • 事業運営上の活動として受け取られる
    という考え方に基づくものです。

したがって、法人であれば会費を経費(損金)として処理することができます。

個人事業主の場合:必要経費にはならない

一方で、個人事業主が同じように申告しても、 必要経費として認められない 判断が複数の裁決や審判所で出ています。

国税不服審判所の裁決(平成28年7月19日)

国税不服審判所は、ロータリークラブの会費について次のような判断をしています:

ロータリークラブの会費は、
請求人の事業所得(例:弁護士業)と直接関係せず、事業遂行上必要ではない
ため、所得税法上の必要経費に算入できない。

この裁決(平成28年7月19日)は、
「クラブ活動自体が社会奉仕や親睦を目的としており、継続的な経済活動として事業に直結しない」
と判断したものです。

東京高等裁判所の判例(平成30〜令和元年)

個人の弁護士がロータリークラブの年会費を必要経費に算入した事案では、
東京高裁も同様の判断を示しました。

裁判の概要は以下の通りです:

  • 弁護士がロータリークラブ年会費を必要経費として申告
  • 税務署は経費と認めず更正処分
  • 控訴審でも高裁が請求人の主張を退けた※裁判例あり

この判例は クラブ活動の内容が社会奉仕・親睦に留まり、事業所得の獲得に直結しない という点を重視しています。

なぜ個人事業主では認められないのか?

判決・裁決のいずれでも、
必要経費として認められるためには「事業と直接的な関連性」が必要
という点が強調されています。

ロータリークラブやライオンズクラブの活動は

✔ 社会奉仕
✔ 親睦交流
✔ 教養・講演

といった性質が中心であり、

🔹 「営業活動そのもの」や
🔹 「報酬を得るための直接的な行為」

と認められないため、
税務上は 私的な支出(家事関連費) と見なされます。

 

「取引先との付き合いだから…」
「仕事につながっている気がするから…」

そう感じるケースも多いですが、
税務上はかなり厳密に見られるポイントです。

税務処理は形式だけでなく、その趣旨・実態が重視されます。
個人事業主として「取引先との交流に役立っている」という主観的理由でも、客観的に判断されるのでご注意ください。

柴田